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【Enito】第1回「アドバイザリーボード」を実施
マッチングアプリ「with」「Omiai」の運営統括を行う株式会社エニトグループ(本社:東京都渋谷区、代表取締役グループCEO:野辺 一也、以下:エニトグループ)は、マッチングアプリを取り巻く社会課題の解決に向け、司法・消費者保護・学術界の多様な専門家とともに議論を深める場として、「アドバイザリーボード」を発足いたしました。
(参考資料:「アドバイザリーボード」の発足に関するプレスリリース)
このたび開催した第1回会議では、マッチングアプリの現状や安全性への懸念、社会的な期待、そして今後目指すべきあり方について、多角的な視点から意見交換が行われました。
以下に、その議論の要点を要約してご報告いたします。
「アドバイザリーボード」第1回 概要
- 日時:2025年4月18日(金)15:00~17:00
- 場所:都内にてオフライン会議
- 議題:
- テーマ①:今後マッチングアプリは、社会においてどのような役割を果たすものへと進化していくことができるのか。
- テーマ②:進化を遂げる上で、より安全で信頼されるプラットフォームとなるには、どのような観点が重要か。
- 出席者(50音順):
- 青島 克行 氏(弁護士 うみとそら法律事務所代表)
- 鬼頭 美江 氏(明治学院大学 社会学部 社会学科 教授)
- 樋口 建史 氏(第89代警視総監)
- 山口 真一 氏(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授)
- 中田 華寿子 氏(座長。株式会社エニトグループ社外取締役 / アクチュアリ株式会社代表取締役 / 内閣府 第8次消費者委員会委員)
- ※エニトグループからの参加者
- 野辺 一也 (株式会社エニトグループ 代表取締役グループCEO)
- 五十嵐 昭人(株式会社with 代表取締役CEO)
- 今井 良樹 (株式会社Omiai 代表取締役CEO)
- 安信 竜馬 (株式会社エニトグループ Trust&Safety室長)
議事サマリ
第1回アドバイザリーボードでは、マッチングアプリの社会的影響力の拡大にともなう責任のあり方や、安心・安全対策の重要性について活発な意見交換が行われました。
特に、SNS型ロマンス詐欺やぼったくり被害の増加といった社会課題に対し、エニトグループのTrust&Safety施策や業界連携による対応策が共有されました。
また、若年層における関係の希薄化や孤独・孤立傾向の深まり、さらにはデジタル社会におけるコミュニケーションの複雑化といった背景も踏まえ、マッチングアプリは単なる出会いの手段にとどまらず、人と人とのつながりを支える「社会インフラ」としての可能性を有しているとの認識が示されました。
マッチングアプリが今後より一層、社会から信頼されるプラットフォームとなるためには、実効性のあるユーザー啓発、行政・業界団体・研究機関との連携、そして透明性の高い情報発信が重要であるという共通認識が形成されました。
次回以降は、より良いマッチングプラットフォームの構築に向けて、アドバイザリーボードにてプリンシプルポリシーの議論および策定を進めていく予定です。
議事概要
会議冒頭ではまず、エニトグループよりマッチングアプリの存在意義と、現状における課題について説明を行いました。
マッチングアプリは、出会いの選択肢が減少する現代社会において、若年層を中心に新たな出会いの場として定着しつつある一方で、「出会い系」との混同や安全性への不安といったネガティブなイメージも依然として根強く、国内での普及率は海外と比べて限定的な状況にあります。
また、SNS型ロマンス詐欺やぼったくり被害など、望まないトラブルの増加も深刻な課題となっており、こうした課題に対し、エニトグループでは業界初となるTrust&Safety室の設置をはじめ、グループ横断での体制強化、ユーザー啓発、関係省庁との連携、業界団体(DMMA)への参画、IMS認証の取得など、総合的な対策を講じています。プラットフォームの安全性と信頼性の向上、そして社会的認知の改善が、いま喫緊のテーマとなっています。
これらの状況をふまえ、アドバイザリーボードでは、今後マッチングアプリが社会の中でどのような役割を担い得るのか、またその進化を支えるために、より安全で信頼されるプラットフォームとなるにはどのような観点が重要かについて議論を行いました。
全体として、期待と課題の両面から、実践的かつ前向きな意見交換が行われた場となりました。
1.今後マッチングアプリは、社会においてどのような役割を果たすものへと進化していくことができるのか。
【アドバイザリーボードからの発言要旨】
- マッチングアプリは、恋愛・結婚に限らず、「孤独・孤立を癒すつながり」や「人生の再出発」を支援する装置としての役割が期待される。
- 一方で、会議ではマッチングアプリを悪用したSNS型ロマンス詐欺や投資詐欺といった犯罪や被害への懸念が複数指摘された。依然としてこれらの社会問題が存在する現状を踏まえ、過度に警戒することなく利用できる環境を整備していく重要性が確認された。今後は制度、啓発活動、および安全対策の仕組み作りの進化を通じて、マッチングアプリが安心と安全を両立した社会インフラとして確立されることが期待される。
- 公共交通機関やSNSなどと同様に、リスクをゼロにはできないという前提を共有しつつ、社会に広く受容され、欠かせない存在として機能するサービスになることが望ましい。
- 共通の価値観や関心を起点とした、緩やかなコミュニティ形成の場としての進化が考えられる。
- 高齢者や若年層など、孤独感を感じたり孤立しやすい層にとっての“接点”を提供できる可能性がある。
- 特に大学生などに見られる「所属先のなさ」や新たな人間関係の形成困難を補う用途にもなり得る。
- マッチング後の関係性の質や継続性を支えるための設計が今後求められる。
- 人生の節目や再チャレンジに寄り添うような機能やコミュニケーション設計が重要である。
- 地域・年齢・属性に応じた“つながりづくり”に配慮したプロダクト・広報戦略の強化が必要とされる。
- 多様な関係性ニーズ(恋愛・非恋愛・共感型など)の存在を前提としたサービス設計が求められる。
2.進化を遂げる上で、より安全で信頼されるプラットフォームとなるには、どのような観点が重要か。
【アドバイザリーボードからの発言要旨】
- SNS型ロマンス詐欺・投資詐欺・ぼったくり被害など、マッチングアプリが当初接触ツールとして悪用されるケースが依然として後を絶たず、社会的な懸念が強い。このような状況を踏まえ、安全性と信頼性を両立するプラットフォーム設計が強く求められている。
- 「安心」と「安全」は別概念であり、数値化された対策では伝わりにくい安心感の醸成が求められている。UI/UX、文言、初期体験など、心理的安全の設計に改善余地がある。
- 利用者の安心感を醸成するには、技術的・制度的な安全対策に加え、依然として残る不安や懸念に対して誠実に向き合い、持続的な信頼を築いていく姿勢が求められる。
- 詐欺やぼったくり被害などトラブルの多くは他社SNS等に移行した後に発生することが多く、現状の監視範囲では限界がある。AIによる文脈検知や、リスク行動へのナッジ設計による抑止策が必要。
- 安全啓発は自由なコミュニケーションを阻害しない観点からも「他社SNSへの移行を抑止する」よりも、「移行後の注意喚起」に重点を置くべき。
- トラブル件数・対応状況の公開などの制度化が社会的信頼構築の前提として求められる。
- 利用体験を改善するためには、ユーザーからのフィードバックをサービス設計に反映するループを確立すべきである。
- 高齢層も含めた幅広い年齢層への安全啓発が必要とされる一方で、現行の施策は伝達手段・文言設計・導線などが若年層に最適化されており、結果的に高齢層への訴求力が弱まっているのではないかという懸念が示された。
- 詐欺手口の早期共有に向けた業界・行政・警察との連携体制の強化が求められる。
- マッチングアプリは他のSNSと比較して、利用者本人の身元確認が徹底されており、安心して一歩踏み込んだ交流が行いやすい環境が整っている点も、信頼性の土台として評価できる。
次回以降の取り組みについて
アドバイザリーボードでは、マッチングアプリが社会にとって必要なインフラとして信頼される存在になるために、今回の提言内容をふまえた議論を重ねてまいります。その中で、マッチングアプリに求められる価値や行動原則を明文化した「プリンシプルポリシー」の策定に取り組んでいく予定です。
【エニトグループ概要】
エニトグループは、2023年3月に「with」を提供する株式会社with(以下:with)と「Omiai」を提供する株式会社Omiai(以下:Omiai)の運営統括会社として設立されました。マッチングアプリ「with」と「Omiai」において、温もりとサイエンスを掛け合わせたサービス開発・運営を行い、多くの良縁を織り成しております。今後は、トラスト&セーフティーをさらに強化するとともに、生成AIやマシーンラーニング(機械学習)をはじめとするテクノロジーを活用することで、より多くの人々に最適な出会いの機会を提供してまいります。また、マッチングアプリにとどまらず、出会いを起点とした多様なライフイベントをサポートする「生活インフラ」となるべく、様々な取り組みを通じて社会に新たな価値を提供し続けることを目指してまいります。
- 「with」「Omiai」をあわせた累計会員数:2,000万人超(2024年7月時点)
- 「with」「Omiai」をあわせた累計マッチング数:2億組超(2023年6月時点)
■エニトグループ社名の由来
エニトグループが最適な出会いを提供するうえで大事にしている「縁(en)」と、”人と人とをつなげる“「糸(ito)」を足し合わせた造語でエニトグループと社名を定めました。エニトグループは、自分らしくいられるパートナーを探している方同士をつなぐ「糸」でありたいと考えています。
■エニトグループ会社概要
社名:株式会社エニトグループ(旧株式会社withから2023年3月1日に社名変更)
英語社名:Enito Group, Inc.
代表者:代表取締役グループCEO 野辺 一也(のべ かずや)
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿1-19-19恵比寿ビジネスタワー17F
設立:2012年9月
事業内容:株式会社with及び株式会社Omiaiの運営統括
主要株主:Bain Capital Private Equity, LP、Tybourne Capital Management 他
URL: https://enito.co.jp/
【with概要】
■価値観重視の出会いを提供するマッチングアプリ「with」とは
2015年9月にサービスを開始した、価値観重視の出会いを提供する恋活・婚活マッチングアプリです。主に20代の方に真面目な出会いの場としてご利用いただいています。サービス開始当初から統計学や心理学を参考にしたアプローチを採用し、深層心理を含めた“価値観マッチング”が実現できるよう、価値観の合うお相手とマッチングできる機会を創出する「心理テスト」やご自身の興味・関心事を明示するための「好みカード」機能など、オリジナル機能を開発・提供しています。また、一般社団法人恋愛・結婚マッチングアプリ協会に参画し、業界の健全な発展にも取り組んでいます。
■with会社概要
社名:株式会社with
英語社名:with, Inc.
代表者:代表取締役CEO 五十嵐 昭人(いがらし あきと)
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿1-19-19恵比寿ビジネスタワー17F
運営開始日:2023年3月1日(株式会社エニトグループから会社分割により事業を承継した日)
事業内容:マッチングアプリ 「with」の運営
株主:株式会社エニトグループ(100%)
URL: https://with.is/welcome
【Omiai概要】
■恋愛結婚を叶えるマッチングアプリ「Omiai」とは
婚姻率低下や少子化といった社会課題を背景に、2012年2月にサービス提供を開始した恋愛結婚を叶える婚活マッチングアプリです。 主に20代・30代の結婚を見据えた真面目な出会いの場としてご利用いただいています。また、一般社団法人恋愛・結婚マッチングアプリ協会に参画し、業界の健全な発展にも取り組んでいます。
■Omiai会社概要
社名:株式会社Omiai
英語社名:Omiai, Inc.
代表者:代表取締役CEO 今井 良樹(いまい よしき)
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿1-19-19恵比寿ビジネスタワー17F
運営開始日:2023年3月1日(株式会社ネットマーケティングから会社分割により事業を承継した日)
事業内容:マッチングアプリ 「Omiai」の運営
株主:株式会社エニトグループ(100%)
URL:https://fb.omiai-jp.com/